bioRxiv
Hayao Ohno, Zhirong Bao.
線虫が納豆菌などの難消化性微生物を経験すると、子の胚発生様式が変わる(腸細胞が増え、発生が一部左右非対称になる)。RNAiやマイクロRNAがエピジェネティック制御に関与。スローンケタリング研究所のBao研。2020年プレプリント。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.11.13.381830v1
「C. elegans雌雄同体の体細胞は959個」という記述も線虫を説明するときによく見られるが(いまや高校生向けの教材にも載っているんだとか)、これは環境中に難消化性微生物が存在しない場合に限られる?
(追記)
「C. elegans雌雄同体の体細胞は959個」などと言うときの細胞数のカウントは他にも少し難しいところがあって、例えば細胞融合により多核細胞(一つの細胞に複数の核がある)となる表皮(下皮とも言う)の細胞については、細胞でなく「細胞核」の数を数えている。
では体細胞ではなく「体細胞核」の数が959個という記述(実際によく見られる)が正しいのかというと、細胞分裂を伴わない核分裂(binucleation)によりL1幼虫期に多核化する腸細胞では細胞核でなく細胞の数を数えているので、実はこれも完全に正確ではないはず。
というわけで、「C. elegansの体細胞数は雌雄同体で959個、雄は1031個」
という記述は、現時点で正確に言うなら、
「C. elegansの体細胞数は、細胞融合による細胞数減少をカウントせず、難消化性微生物が環境中に存在しない場合に限り、雌雄同体で959個、雄は1033個(MCM含む)」
とでもなるだろうか。
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